福井工業大学 戎利光 教授【ストレス・食習慣・運動から健康への影響を探る】

福井工業大学 戎利光 教授に独自インタビュー

一般的に、ストレスが増えると自律神経系が乱れ、身体の様々な機能に影響を及ぼすことが知られていますが、具体的にどのような悪影響があるのでしょうか。

また、健康を維持するには何を意識することが重要なのでしょうか。

この記事では、福井工業大学の戎利光教授に、健康管理の基盤を作る上で重要な要素について、様々な視点から独自インタビューさせていただきました。

戎利光教授の紹介
福井工業大学 戎利光 教授

福井工業大学 スポーツ健康科学部
戎利光(えびすとしみつ)学部長・主任教授
(福井大学名誉教授,教育学博士・医学博士)

戎教授は、教育学博士号(米国ブリガムヤング大学大学院博士課程修了[運動生理学])、及び、医学博土号(愛知医科大学[公衆衛生学教室])を取得しており、子どものからだの健康科学(戎利光[著],不昧堂出版,2000)、ライフスタイルと健康の科学(戎利光・戎弘志[著],不昧堂出版,2001)、わかりやすい健康の生理学・衛生学(戎利光[著],不昧堂出版,2002)、子供のからだの健康学(戎利光[著],あいわ出版,1987)、親と子でつくるからだ健康学(戎利光[著],あいわ出版,1988)など数多くの著書がある。
そのほか、日本教育医学会(33年間理事及び常任理事、6年間副会長)、日本体力医学会(25年間評議員、第73回大会大会長)などを務め、「現代人のライフスタイルと健康」「健康と運動の生理学」「子どもの食生活と健康」「子どものからだの健康科学」をはじめ、「健康とストレス」「高齢者と健康」「女性と健康」「健康と運動」等に関して、各地で講演活動を行っており、アメリカ合衆国をはじめ海外でも講演の経験がある。

ストレスが自律神経系に与える影響

TLG GROUP編集部:それでは最初に、ストレスと自律神経系の関係について教えていただけますか。

戎教授:まずは、自律神経系について説明させていただきます。例えば、運動すると、必要な酸素を筋肉に運ぶために心臓に繋がる自律神経系が自動的に作用し、この自律神経系は血液の循環や消化、呼吸器などの調節をコントロールしています。

さらに、自律神経系には交感神経と副交感神経が存在しますが、これらは相反する働きをします。朝になると交感神経の活動が徐々に活発になり、夕方から夜にかけてはその活動が弱まります。一方、副交感神経は朝から昼にかけては弱まり、夕方から夜にかけては活動が活発になります。

要するに、昼間は交感神経が優位に働き、夜間は副交感神経が主導権を握ることになりますが、ストレスを受けると交感神経が緊張し、体が興奮状態になり血圧や心拍数の上昇を招きます。

また、普段は体を動かすと心臓の鼓動が速くなったり呼吸が乱れたりすることがありますが、交感神経の緊張が自律神経系を乱し、何もしていなくても動悸や息切れを感じることがあります。

そのうえ、自律神経系は脳への血流や全身の血流も調節していますので、乱れるとめまい、立ちくらみ、頭痛といった症状が現れる可能性があります。また、自律神経系の乱れは冷え性や肩こりといった問題も引き起こすことがあります。

さらに、仕事上の無理などのストレスを1年間受けることによって、血液中のコレステロールが増加したという私の研究(戎ら,1997)もあります。ストレスによる胃潰瘍、過敏性大腸炎、自律神経失調症、不眠症、動脈硬化症なども報告されています。

次に、副交感神経についてですが、胃液の分泌量や腸の蠕動運動を調節し、胆汁などの消化液の分泌も担っています。自律神経系の乱れは便秘、下痢、腹痛、胃のもたれといった消化器系の問題を引き起こすことがあります。

TLG GROUP編集部:ありがとうございます。

例えば、ストレスを感じやすい人や、あまり感じない人がいると思いますが、ストレスに対する自律神経系の反応には個人差があるのでしょうか。

戎教授:一般的に、ストレスを溜めやすい人は「タイプA」の性格であると言われています。タイプAの人は、積極的で活動的、せっかちでイライラしやすい、仕事に熱中しがち、神経質で几帳面、完璧主義、責任感や正義感が強い、早口、仕事を断りにくいなどの傾向があります。

つまり、タイプAの人はストレスを感じやすい性格とされます。一方、「タイプB」と呼ばれる性格もありますが、これは温和な性格だとされています。

実際に、タイプAの性格の人の多くは非常に努力家であり、社会的な成功者も多いです。しかしながら、知らず知らずのうちに過度な努力によって無意識にストレスを受けることがあり、当然ながら健康にも悪影響を及ぼすことがあります。

したがって、タイプA性格の人はストレスを感じていることを自覚し、心身をリラックスさせる時間を作ることが重要です。ただし、常に緊張している性格の場合、少しくらい休息してもすぐには心が落ち着かないことがあるかもしれません。

TLG GROUP編集部:なるほど。仕事が好きで野心家でありながら、無理をしてしまう傾向があるというのは、多くの人に共通することですね。

個人的な話で恐縮ですが、私もストレスを感じやすいタイプで、過去にはストレスによって自律神経が乱れ、過敏性腸症候群に悩まされたことがあります。今回のお話を聞いて、考えさせられる部分が多くありました。

戎教授:ストレスによる自律神経の乱れが原因である場合は、適度な運動などを取り入れることで脳内に幸福感をもたらす「βエンドルフィン」というホルモンが分泌され、ストレスが和らぐことがあります。

また、先述した通り、ストレスを感じると交感神経が緊張状態になりますが、副交感神経を活性化させることで交感神経の緊張が緩和されます。

では、副交感神経を活性化させる方法はどのようなことかというと、38度から40度程度のぬるめのお湯に入浴することで副交感神経が活性化し、体がリラックスします。

一方、少し熱いお風呂(42度から44度程度)にサッと入ると交感神経が緊張し活動的になります。したがって、朝の出勤前などは熱めのお湯に入浴するか、熱めのシャワーが良いでしょう。

TLG GROUP編集部:お湯の温度はその時その時で使い分けるといいんですね。

また、例えばアロマオイルやアロマテラピーは、多くの人々によってストレス解消やリラクゼーションの手段として利用されていますが、実際に自律神経系に良い効能があるのでしょうか。

戎教授:以前、アロマオイルの香りを用いた実験を行いました。この実験では、アロマオイルの香りによってリラックス効果が現れるかどうかを検証しましたが、結果的には副交感神経が緊張することでリラックスする効果が見られました。

具体的には、グレープフルーツのアロマ、ラベンダーのアロマ、ローズマリーのアロマ、そしてこれらを混合したアロマの4種類を使用しました。

前述のように、交感神経が緊張している状態でリラックスが生じたという全般的な効果はみられましたが、実験結果には個人差が少しみられ、効果としてはあまり明確ではありませんでした。例えばラベンダーが好きな人はそれを使うことで心が癒される一方、そうでない人は他の香りで癒される傾向があることが分かりました。

他にもアニマルセラピーや音楽療法などもストレス解消の手段として有効だと考えられています。

また、講演中によく質問される適度な飲酒についてですが、ストレス解消の効果が完全にないわけではありません。ただし、お酒には依存症などのリスクもあるため、ストレス解消の手段としてはあまり推奨されません。

TLG GROUP編集部:なるほど。例えば、週にどのくらいの頻度で飲酒しても依存症にならず、かつストレスが軽減されるのでしょうか。

戎教授:一般的には、ビールであれば中瓶約1本、清酒であれば約1合、ワインであればおおよそグラス約1.7杯が適量とされており、この量でしたら飲酒による悪影響は少なく、摂取しても依存症の心配は少ないと言われています。ただし、週に1日、できれば2日は休肝日を設けることが推奨されています。

お酒をストレス解消の手段として頼り過ぎるのは健康的ではありませんので、適度な範囲で利用するようにしましょう。その代わりに、趣味のスポーツやアロマセラピーやアニマルセラピーなどを活用することをお勧めします。

太りやすい体質を招く「朝食抜きダイエット」の危険性とは?

TLG GROUP編集部:食事は生活習慣の中で重要な要素ですが、自律神経系のケアにも関連があるのでしょうか。

戎教授:はい、食事と自律神経系は密接に関連しています。

例えば、私は朝食抜きの悪影響についても研究しています。朝、副交感神経緊張状態から活動的な交感神経緊張状態へと、素早く切り替える切っ掛けになるのが、朝食事をすることだと言われています。

最近では朝食を抜く人が増えていますが、朝食を抜く理由として圧倒的に多いのが、「朝食を摂る時間がない」というものです。そのほかにも、「夜食を摂ることで、翌朝は食欲不振である」、「ダイエットの為に朝食を控える」などがあります。

ダイエットのために朝食を抜くという人がいますが、結果的に太ることに繋がります(後ほど説明させていただきます)。

まず、脳のエネルギー源である血糖は食事を摂ることで増えますが、朝食を抜くと血糖が下がります。血糖が低下すると、思考力や計算力の低下などが現れ、勤務中や授業中の集中力が落ちることもあります。血糖はエネルギー源であり、体を動かすために必要です。

特に子どもは朝食を作ることができないため、親が用意しないと朝食を抜いて学校に行くことになります。朝食を抜いた子どもを観察していると、空腹からか活発に動かずじっとしている傾向があります。

これでは子どもの体力は低下し、朝食を抜いた生活を送ることによって、平衡性(平均台の上を歩くなどといったように、バランスをうまくとる能力)、瞬発力(垂直跳びで一気にジャンプをするなどといったように、瞬間的に筋肉を収縮させて力を一気に発揮する能力)、筋力(筋肉の収縮によって起きる力)、敏捷性(頭上から何かが落ちてきた時に素早く避けるなどといったように、素早く動作をする能力)、全身持久力(長距離走などのように、瞬間的に激しくない運動を長い間する能力)が低下したという研究(戎ら,1993)があるほどです。

年齢や活動量にもよりますが、成人男性は1日に2,200kcal〜2,500kcal程度、成人女性は1日に1,500kcal〜2,000kcal程度を摂取していると言われています。

例えば、1日2,500kcalを摂取しているとして、朝食で700kcal、昼食で800kcal、夕食で1000kcal食べると、ちょうど2500kcalになりますね。そこで、朝食の700kcalを抜いた場合はトータルで1800kcalとなり非常に少なくなります。

その空腹感からドカ食い(1日の食事を1回か2回にまとめて摂る)を繰り返すと、膵臓から分泌されるインスリン(後ほど詳しく説明します)が高まって脂肪がつきやすくなるといわれています。

例えば、中高生に多い事例ですが、ダイエットで朝食を抜いて午後にお腹が空き、ポテトチップスやチョコレートなどを食べてしまうことがあります。

ポテトチップスなどは1袋で500kcalぐらいあるので、痩せようと思って朝食を抜いているとはいえ、空腹の為ほかにも間食をすれば1日の摂取カロリーがかなり多くなり結果的に太ってしまうということも多いでしょう。

また、インスリンには血糖値を下げる働きがあります。朝食を抜いてしまうと、血糖値を下げることになり、空腹中枢を活発に刺激し、結果的に食べ過ぎてしまうことがあります。

朝食を抜いて痩せると考える人はいますが、実際は以上のように健康に悪影響となる可能性があります。計算上の話ではなく、バランスの取れた食事を摂ることが重要です。

TLG GROUP編集部:確かに、ダイエットはなかなか上手くいかない印象ですね。戎教授にとって一番効率的なダイエットは何だとお考えですか。

戎教授:消費カロリーに比べて摂取カロリーが多すぎると太りますので、カロリーの多い食べ物を減らして、適度な運動をお勧めします。ただ、お腹がすいても「我慢する」ことで効果的に痩せると思うかもしれませんが、決して効果的ではありません。

食事の量を我慢して減らすことで充分な栄養分を摂取できず、例えば、鉄分が不足して貧血になったり、カルシウムが不足して骨折しやすくなったり、また亜鉛が不足して味覚障害(食べ物の味を薄く感じたり、味そのものをあまり感じなくなったり、違った味に感じたり、いつも何か味を感じたりといった症状)を招くなど、さまざまな障害が生じる可能性が増します。

ほかにも、無理なダイエットによる神経性食欲不振症(無食欲症や拒食症・思春期痩せ症などともいい、食欲がなくなったり、食欲はあっても食べなくなったりする)や神経性過食症(驚くほど大量に食べた後、喉に指を入れて吐いたり、下剤を飲んでくだしたりする)などを誘発してしまいます。

特に、思春期に痩せることばかりを異常に意識していると、強度の食欲不振になることがあります。そうして、食べ物をほとんど受けつけなくなり、どんどん痩せていき、青白い顔になり、目は窪んでしまい、最悪の場合は死に至ることもあります。

さらに、過激なダイエットによるリバウンド現象で、太ってしまうことさえあります。ダイエットに無理があると、一時的に減量しても、その後無理をした反動で過食になり、結果的に元の体重に戻ったり、或いは、元の体重より増えることがあります。

このリバウンド現象を何度も繰り返している(ヨーヨー現象ともいう)と、体重が減りにくく、脂肪がつきやすくなるともいわれています。

安易に始めたダイエットがエスカレートし、結果的に神経性食欲不振症や神経性過食症に陥り、栄養素の摂取不足から、体調を崩したり、太りだしたりという現象は、近年決して珍しいことではありません。

TLG GROUP編集部:それは恐ろしいことですね。健康的な生活を送るためには、食事が非常に重要であると分かりました。

適度な運動が認知症や生活習慣病のリスクを軽減する

TLG GROUP編集部:戎様はライフサイエンス、衛生学、公衆衛生学、運動生理学などの分野で幅広い研究を行っておられると存じておりますが、高齢者の健康についても研究されていると拝見しました。

こちらの研究内容についてもお伺いできますか。

戎教授:認知症として、最も多いアルツハイマー型認知症に次いで、脳血管性認知症、レビー小体型認知症が指摘されています。

アルツハイマー型認知症の原因は脳細胞の減少や脳組織の萎縮だと考えられていますが、その予防として、適度な運動、適切な食習慣、禁煙や飲酒習慣の改善などが挙げられています。

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を使用し、それによって脳が覚醒して活動を始め、さらに血流がよくなることで脳への酸素や栄養が行き渡るようになるという指摘もあります。

大腿四頭筋とは、太ももの表側にある筋肉ですが、歩く時に主として使う筋肉ですので、歩けばかなり大腿四頭筋を使います。

筋肉が衰えて歩けなくなると、それだけ行動範囲も狭くなり、また、脳への酸素や栄養分の運搬も少なくなり、アルツハイマー型認知症を引き起こしやすくなると考えられます。高齢者は家の中に閉じこもりがちですが、やはり活動的に歩くことを奨励します。

脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血が原因で起こると指摘されていますが、規則的な運動の実施が脳梗塞などを予防するという指摘がありますし、脳梗塞などの誘因になる高血圧についても運動の予防効果は指摘されています。

勿論、歩いたり話したり見たり聞いたり、絵を描いたりパソコンなどで手を動かしたりすることでも脳を刺激できます。

ゲームなどに集中し過ぎると、毛様体筋が緊張し眼精疲労などを起こすことがありますが、手を巧みに使うことで脳に刺激を与えるということで、認知症の予防対策として高齢者施設でパソコンによるゲームなどが試みられています。

従って、家に閉じこもるのではなく、周囲の人と交流しつつ日々の生活を楽しむことを心がけながら活動的な生活をしていただくことをお勧めします。

TLG GROUP編集部:新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに、家に閉じこもっている方も結構増えた印象です。活動的になって生活していくというのが心身の健康に繋がるのですね。

戎教授:コロナ禍でも勿論そうでしたが、便利な現代社会のように機械化・文明化が進み、それほど身体を動かす必要がなくなってしまい、簡単に運動不足に陥りやすくなり、結果的に、健康を損ねてしまう人が増えてきました。そこで、最後に、運動の健康効果について詳しくお話しましょう。

1カ月半運動しない生活を送ると体脂肪率(体脂肪量を体重で割った値で、体内の脂肪重量の割合)や血液中の燐脂質(動脈硬化を促進する)が増え、そして、その後1カ月半運動を再開すると、増えていた体脂肪率や血中燐脂質は減ったという私の研究報告(戎ら,1987)があります。

体脂肪率や血中燐脂質は、運動をするかしないかによって、敏感に反応するようです。運動と生活習慣病との関連が少しお分かりいただけたと思います。

また、有酸素運動の代表でもあるジョギングを、規則的に10週間実施することによって、血液中のHDLコレステロール(善玉コレステロール)が増加し、動脈硬化指数が改善したという研究(戎ら,1987)もあります。

さらに、ジョギングのみではなく、プールなどで行われている水中ウォーキングについても、同様に血中HDLコレステロールが増加し、生活習慣病の予防効果を明らかにしています(戎ら,2001)。

確かに適度な運動は、健康を維持する上で必要です。ただ、運動の健康効果は、運動が適度である場合に限ります。運動が激し過ぎれば、健康を損ねてしまうことになり、また運動が弱過ぎれば健康効果があまりみられないということになります。

日頃ほとんど運動しない人が激しい運動をすると、筋肉中の筋繊維がより多く微少断裂を起こし激しい筋肉痛を招き、肝臓への負担も大きいことが研究(戎ら,1989)で明らかになりました。

さらに、健康づくりの運動は規則的に実施する必要があります。1カ月半運動を中断すると、筋肉は萎縮してその活性が低下し、コレステロールなどの血液脂質をはじめ、身体全体の脂肪量が増えることにより動脈硬化や肥満を招き、身体の柔軟性が低下する為身体が硬くなることも分かりました(戎ら,1987)。

運動の健康効果について、最後に、JAMA(アメリカ医師会雑誌)に紹介されていた興味深い学術論文(Pateら,1995)を紹介しますが、ジョギングによる血液脂質や体脂肪、心肺持久性に及ぼす影響については、1日に全距離を1度に走っても、半分の距離を1日2度(朝・夕)、或は、3分の1の距離を1日3度(朝・昼・夕)に分けて走ってもその効果が変わらないという研究(戎,1985)が引用されています。

つまり、一定の強度でジョギングをすれば、走距離を2回、3回に分散しても総走距離はどの運動群も同じですので、このジョギングによる消費カロリーは同じであり、その運動効果にも変わりはないということです。

先ほど、ドカ食いが太りやすいという話をしましたが、ほかにも、早食い、ながら食い(テレビを見ながら、或いは、新聞や雑誌を読みながらの食事)、ストレス、夜食なども太ることと関係があります。

さらに、運動不足で筋肉量が減ると基礎代謝量が減り太りやすくなります。基礎代謝量とは、何もしていない状態でのエネルギー消費量ということですので、基礎代謝量が少なければ太りやすいということになります。

反対に基礎代謝量が多ければ、何もしなくてもたくさんエネルギーを使っていることになるので、肥満を予防できます。運動をして筋肉量を増やすことにより、基礎代謝量が増えることが指摘されており、運動により、特に筋トレなどにより筋肉量を増やせば、肥満が予防できるということになります。

まとめ

TLG GROUP編集部:本日はお時間いただき、ありがとうございました。戎教授にインタビューして、下記のことが分かりました。

独自インタビューで分かったこと
  • 自律神経系は血液の循環や消化、呼吸器の調節をコントロールし、交感神経と副交感神経が相反する働きをする
  • ストレスを感じやすい人は「タイプA」の性格であり、過度な努力によって無意識にストレスを受けることがあり、健康にも悪影響を及ぼす
  • 適度な運動や入浴、アロマセラピーなどはストレス解消に効果的である
  • 朝食を摂ることは自律神経系や身体のエネルギー源である血糖値に影響し、集中力や健康に重要な役割がある
  • 我慢をして食事を減らすことは健康的なダイエットではなく、過食や拒食などの健康リスクがある
  • 有酸素運動やウォーキングなどの適度な運動は健康維持において重要であり、認知症や生活習慣病を予防する効果もある
  • コミュニケーションや社会活動を維持することが心身の健康に繋がる

健康の基盤を支える要素である「ストレス緩和」「食習慣」「運動」は、私たちの健康に重大な影響を与えます。

特に、適度な運動はストレス緩和に効果的なだけでなく、認知症や生活習慣病の予防にも役立つと言われています。

したがって、適度な運動などを日常に取り入れて、活動的な生活を送ることが心身の健康に繋がります。

取材・文:TLG GROUP編集部
記事公開日:2024年3月27日