2026年10月現在での豪ドルの値段は109.939円で、再び100円を突破しています。長期的に見れば豪ドル円は上昇傾向にあるので、保有する際には長期的な価格の見通し最新を知っておきたいところですよね。
オーストラリアと中国は、とても深い関係にあるため、中国の今後の経済状況次第で豪ドルの値段を予測することができます。
この記事では、FX取引歴16年のキャリアを持つMoney Agent編集長が中国経済や日本経済について触れながら、豪ドルが5年後・10年後にどのような価格変動を遂げているのかの見通しを予測していきます。
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2026年の豪ドルの動向
オーストラリア準備銀行(RBA)は2026年9月29日、政策金利を4.35%から4.60%へ引き上げました。2026年では4回目の利上げとなり、金融引き締めが続いている点は豪ドルを支える材料です。
日本銀行も9月に政策金利を1.25%へ引き上げましたが、オーストラリアとの金利差は3.35%のまま維持されています。そのため、金利差の面では豪ドル円を下支えしやすい状況が続いています。
RBAが利上げを続ける背景には、インフレ圧力の強さがあります。8月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%まで上昇し、RBAが目標とする2〜3%を上回っているため、追加利上げの余地も残されています。
ただし、豪ドルが一方向に上昇しているわけではありません。今回の利上げは市場にある程度織り込まれていたため、発表後は豪ドルが対米ドルで0.70ドルを割り込み、豪ドル円も8月末の114円台から109円台まで下落しました。
2026年の豪ドルは、高い政策金利と日本との金利差が支えになる一方、追加利上げへの期待や中国経済の動向によって値動きが変わりやすい状況です。全体としては底堅さを保ちやすいものの、上昇一辺倒ではないと見ておくとよいでしょう。
2026年の豪ドルで注目すべき3つのポイント
2026年に豪ドルに影響を与えると考えられる3つのポイントを紹介していきます。
- 資源価格の動向
- アメリカの金融政策
- 国内経済と政策金利
それぞれ見ていきましょう。
資源価格の動向
1つ目は「資源価格の動向」です。
豪ドルは主要輸出品である鉄鉱石やエネルギー資源の価格に強く影響を受けます。鉄鉱石の国際価格は1トンあたり100ドル前後での推移が続いており、特にオーストラリア最大の貿易相手国である中国経済の動向が鍵を握るでしょう。
具体的には、中国が過剰生産能力の解消に向けて粗鋼の減産を進めていることに加え、オーストラリア国内でも新規鉱山の立ち上げで供給が増える見込みで、需給の両面から価格の重しになりやすい状況です。一方、世界経済が回復し、中国の需要が増加すれば、資源価格が上昇し豪ドルを支える要因となります。
直近で公表された7月の貿易収支は19.23億豪ドルの黒字で、8月分は10月1日に公表されます。これに加え、新興国からの資源需要やエネルギー市場の変動も豪ドルに影響を与えるため、資源価格の動向には引き続き注目が必要です。
アメリカの金融政策
2つ目は「アメリカの金融政策」です。
アメリカの政策金利(FF金利の誘導目標)は9月16日の利上げで3.75〜4.00%となりました。米国の金利が上がると、ドル高が進み豪ドルは相対的に下落しやすい状況が続くと予測されます。特に、ドルが安全資産としてトレーダーに好まれると、豪ドルの下落圧力が強まるでしょう。
しかし、次回10月27〜28日のFOMCで追加の利上げが見送られればドル高は一服し、豪ドルが反発するシナリオも考えられます。
アメリカのインフレ率や雇用統計などの経済指標も豪ドル相場を左右する要因となるため、これらの指標も注意深く観察することをおすすめします。
国内経済と政策金利
3つ目は「国内経済と政策金利」です。
2026年に入ってからのオーストラリア準備銀行は、2月・3月・5月と3会合連続で0.25%ずつ利上げを行い、政策金利を4.35%まで引き上げました。6月・8月の据え置きを経て、9月29日の会合で4.60%への追加利上げを決めており、利下げに傾いた局面ではないことがうかがえます。
消費者物価指数の上昇率が2026年8月時点で前年比4.0%と目標(2〜3%)を上回っているため、当面は高い金利水準が維持される可能性があります。政策金利4.60%からインフレ率を差し引いた実質金利は0.60%で、前月時点の0.85%から縮小しました。
今後インフレが目標圏まで鈍化して政策金利が低下すれば豪ドルの下落要因となりますが、現在のように金利が維持または引き上げられる局面では、豪ドルのサポート材料になり得ます。
また、国内消費や住宅市場の動向も経済成長を示す重要な指標です。直近では8月の雇用者数が3.95万人増えた一方、失業率が4.6%と労働市場に緩みも見え始めており、9月2日公表の4〜6月期GDP(前期比0.4%増)と合わせ、経済成長が堅調に推移すれば投資家の信頼感を高め豪ドルの上昇につながるかもしれません。
豪ドルの見通し【5年後】
豪ドルは、今後どのように動いていくのでしょうか?豪ドルの価格に大きく影響しているのは、以下の2つです。
- オーストラリアの経済状況
- 円安の進行
経済状況が良くなれば、投資家が豪ドルへ多く投資するようになるため、豪ドルは上昇します。また、円安になれば相対的に同じ効果が得られます。
ここでは今後5年間の豪ドルの見通しを、オーストラリア経済と日本経済の2つの視点から読み取っていきます。豪ドルの将来性が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
豪ドルの見通し5年後をオーストラリア経済から予想
オーストラリアのGDPは28年間連続でGDPが上昇した記録を持ち(1991年~2019年)、安定的な成長していると言えます。
ちなみにGDPとは、Gross Domestic Product(国内総生産)の略称で、一定期間内に国内で産み出された財サービスの付加価値などの総額のことを指します。国の経済規模・景気動向を調べるための目安として用いられることが多いです。
2020年には新型コロナウイルスの影響でマイナス成長を記録し、この連続成長は一時的に途切れました。その後、2021年以降は再びプラス成長に転じています。
このように、オーストラリア経済は一時的な停滞を経ながらも、再び成長軌道に乗っていることが確認できます。
資源価格と貿易関係の影響
オーストラリア経済の中心である鉄鉱石やエネルギー資源の輸出は、豪ドルの動向に大きな影響を与えます。
特に中国などアジア諸国の需要が維持されれば、資源価格が安定し、豪ドルを支える要因となるでしょう。
しかし、中国が進める粗鋼の減産や脱炭素化の進展、地政学リスクが貿易関係を悪化させれば、資源需要が減少し、豪ドルの下落圧力が高まるリスクがあります。
鉄鉱石価格が1トン100ドル前後で頭打ちとなるなかでも輸出数量を確保できるか、そして主要貿易相手国との関係を強化できるかが、今後の豪ドル相場を左右する重要なポイントです。
国内経済成長と政策の安定性
オーストラリア国内のGDP成長率やインフレ率の推移も豪ドルに影響を与えます。4〜6月期のGDPは前年同期比2.1%増にとどまる一方、インフレ率は4.0%と目標圏の上限を上回ったままで、成長と物価の綱引きが続いています。
移民政策による人口増加や安定した雇用環境が成長を支えれば、豪ドルの上昇要因となるでしょう。ただし失業率は4.6%へ切り上がっており、雇用の底堅さが崩れないかは5年スパンで見ても前提条件になります。
一方で、インフレが落ち着いて政策金利の引き下げが実施される場合は、日本との3.35%の金利差が縮小し、豪ドルの下落リスクが高まります。RBAは基調的なインフレ率が3%を下回るのは2027年半ば以降と見ており、利下げ局面に入るまでには時間がかかるとの見方が優勢です。
特に、国内消費や住宅市場が安定的に成長するかが注目され、経済政策の一貫性が豪ドルの信頼性に直結すると考えられます。
豪ドルの見通し5年後を日本経済から予想
続いて、豪ドル円の見通しを日本経済から予想していきましょう。まずは日本経済を確認していきます。
日本経済の動向
日本経済は、少子高齢化や労働人口の減少といった構造的な課題を抱えつつも、2025年以降は緩やかな回復基調を維持しています。
特に、インフレ率が安定し、消費税増税後の国内需要が持ち直しつつあることが注目されています。また、デジタル化や再生可能エネルギー分野への投資が進む中で、経済の新たな成長分野にも期待されているようです。
一方で、日本はマイナス金利を脱出したものの、依然として低水準にとどまっており、政策金利は2026年9月18日の利上げで1.25%となりましたが、オーストラリアも利上げしたため、豪ドルとの3.35%の金利差は、引き続き豪ドルを支える要因となるでしょう。
ただし10月29〜30日の金融政策決定会合で追加利上げに動く可能性もあり、日銀が動けば金利差が縮小し、豪ドル円の上値を抑える場面も考えられます。それでもアメリカや中国と比較して、日本経済の成長速度は遅いため、豪ドルに直接的な影響を与える機会は限られると見られます。
日本経済の影響は小さい
豪ドル相場において、日本経済の影響は比較的小さいと考えられます。
オーストラリアと日本は重要な貿易相手国であるものの、貿易額の規模は中国などに比べて相対的に少なく、豪ドルの動向に直接的な影響を与えることは少ないからです。
特に、オーストラリアの主要輸出品である鉄鉱石やエネルギー資源は、日本向けの輸出シェアが縮小しており、中国をはじめとする他国の需要が豪ドルの動きに大きく寄与しています。
また、為替市場においても、日銀の金融政策は円安・円高に直接影響を与えますが、豪ドルとのクロスレートにおいては間接的な影響にとどまります。
そのため、日本経済の影響は、豪ドルの長期的な方向性を左右するほどの大きな要因ではないと考えられます。
豪ドルの見通し【10年後】
5年後は「経済危機が発生しない限りは安定的するだろう」という結論になりましたが、さらに5年後の「10年後の豪ドル」の見通しを予測していきましょう。
万が一経済危機が発生してしまった場合の豪ドルについても解説したので、長期間豪ドル取引をするつもりの方は是非参考にしてください。
豪ドルの見通し10年後をオーストラリア経済から予想
まずは、オーストラリア経済の状況から豪ドルの動向を予想していきましょう。
中国経済に大きく影響を受ける
オーストラリアのGDPは、中国経済に大きく影響されます。そのため、オーストラリア経済の将来を分析するためには、中国で何が起こっているかを知ることが有効です。
ちなみに、中国は2000年代に驚異的な経済成長を遂げてからというもの、人口過剰と内需拡大に乗じて、さらに成長する余地を残しています。足元では不動産市場の調整と鉄鋼の過剰生産能力の削減が同時に進み、成長の中身が投資から消費へ移りつつある点も押さえておきたいところです。
中国経済が成長することで豪ドル高が期待できる
今後の中国経済の成長は内需主導で、この先10年間は景気拡大が続くと予想されます。さらに、中国の一帯一路政策が実を結ぶのは2030年以降になり、1.7兆ドルもの投資を生み出すと言われています。
この政策によって、中国がアジアとアフリカの覇者となれば、今後10年間で世界の主導権が米国から中国に移る可能性もあるでしょう。
中国がGDPで世界一の経済大国となると、オーストラリア経済も成長していきます。その結果、豪ドル高につながることは十分考えられます。
豪ドルの見通し10年後を日本経済から予想
今後の日本の最大の問題点として、少子高齢化による労働人口の激減が挙げられます。ここでは、今後10年以内にこの問題が解決するのかを探っていきましょう。
人口減少も労働力不足も進む
国立社会保障・人口問題研究所は、2030年までに日本の人口が2000万人近く減少すると予想しており、「人口の3分の1が高齢者になる」という専門家も存在します。
この人口問題の対策としては、人工知能やロボットによる労働力の代替、移民による労働力の増加などがありますが、すぐに全部を導入するのは難しいでしょう。実際、「日本のIT産業は世界から5年遅れている」と言われています。
移民政策の拡大やデジタル化による効率改善が進めば一定の成長が期待されるものの、全体的には緩やかな経済成長が続くと見られます。このような状況では、日本経済が豪ドルに与える影響は限定的になるでしょう。
日本のGDPは低下し、円安が進む
先ほど挙げた理由などから、今のままでは日本は高齢者大国として2030年を迎えることになりそうです。
高齢化が進み、労働力が減少すれば、当然日本経済のGDPは減少し続けます。それが明らかになれば、円の信用を失い、国際的な円安が進むことになるでしょう。
その結果、相対的に豪ドル高になると考えられます。オーストラリアの政策金利4.60%に対し日本は1.25%と3.35%の差が開いた状態が続いており、この金利差が保たれる限り、豪ドルがリスク資産として選好される局面もあるかもしれません。
経済危機が起こった場合の豪ドルを予想
また、これからの10年でリーマンショックに匹敵するような経済危機が起こる可能性もあります。過去に起きた経済危機には、以下のようなものがあります。
- 1987年:ブラックマンデー
- 1998年:LTCM破綻
- 2008年:リーマンショック
- 2020年:新型コロナショック
このように、経済危機は10年ごとに起こっています。10年以内に世界的な経済危機が発生した場合、豪ドルはリスク資産として大きく売られる可能性があります。
特に、金融危機や地政学的リスクが高まる中で、投資家が安全資産であるドルや円に資金を移す動きが加速すれば、豪ドルの下落圧力が強まるでしょう。
経済危機が発生した場合、豪ドルの価格が最大で50%下落し、現在の価格を下回る可能性もあります。経済危機が起こりうることを覚えておくだけでも、経済危機発生の兆候にいち早く気付いて対応できる場合がありますよ!
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豪ドルの見通しに関するQ&A
豪ドルやばいって本当?まとめ
豪ドルの今後の動向について、中国経済や日本経済の影響を踏まえたうえで、5年後・10年後に分けて解説してきました。この記事の要点をまとめたものがこちらです。
- オーストラリア高金利と日本低金利の差が豪ドルを支援する
- 中国経済の成長が豪ドル高の重要な要因となる
- 地政学リスク増加時はリスク回避で豪ドル安に注意
このような理由から、経済危機が発生しない限り、今後5年間・10年間で豪ドル高が進んでいくと考えられます。
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